3/2(金)、山本政志監督が注目する若手映画監督・タナダユキ監督をお迎えして、ウィークエンド・トークショーを開催致しました。同じ九州出身ということで、山本監督曰く、「笑いの感覚が似ている」というタナダユキ監督の作品について、話が盛り上がりました。
(以下、タナダユキ監督=タナダ、山本政志監督=山本と記載させて頂きます)
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山本: |
どうだった? 「聴かれた女」は。 |
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タナダ: |
夢中になって観てしまいました。何より好ましいと思ったのは、男が想像していた女の部屋はすごくポップでかわいかったけれど、実際の部屋はごく普通の家で、女の人に幻想を抱いていないところ。 |
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山本: |
「想像の部屋とだいぶ違うな」っていうセリフ、あれけっこう好きなんだよ、バカっぽくて。 |
| タナダ: |
主人公の男の子を見ていたら、なぜだか山本監督の顔がちらついて。そしたら、途中で本人が出てきたので、すごく驚いた。 |
| 山本: |
タナダも自分の作品に出てたよな? |
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タナダ: |
自主映画のときに1本出てました。山本さんは、演技が上手くて、ちょっとムッとしました。(笑)自分のに出てるくせに、すごくナチュラルな演技をしているのが。 |
| 山本: |
俺、上手いから。(笑)けど、演ってると、自分の芝居中心にしか考えられなくなる。だから自分のに出るのは辞めようと思って。 |
| タナダ: |
ちょっとわかります。私も、映っていればいいっていう感覚になってました。(笑)それと、『聴かれた女』は、蒼井そらさんの存在感がすごく良くて。あの役って、一歩間違うと、同性から見て、嫌な感じに映りかねない人物だと思ったんですけど、明らかに主人公の男の子を狙っている素振りだとかが、嫌味なく見られるんですよね。それはやっぱり、山本監督の意図した演出プラス蒼井そらっていう人の独特の存在感なのかなと思いました。エロいシーンは本当にエロかったですし。口の開け具合とかが、たまらない。 |
| 山本: |
タナダの映画は、『モル』だけ観て、その後観てなかったんだけど、この間3作品一気に観た。『タカダワタル的』はどういう経緯で撮ったの? |
| タナダ: |
あれは、撮影自体は始まっていたんですけど、監督が決まっていなくて、それで、私に電話がかかってきた。だから、撮影スタッフがすでに組んでいる中に、途中から監督として入らなきゃいけなかったんです。その時はまだ27か28歳で、監督なんだけど、一番下っ端みたいな。 |
| 山本: |
高田渡自体は知ってた? |
| タナダ: |
いえ、もう亡くなっている人だと思ってたんです。だから電話があった時に、「生きてるんですか?」ってまず聞き返して。(笑)ただ、高田さんの曲を1曲だけ知ってたんです。マリー・ローランサンの『鎮静剤』っていう曲。20歳くらいの時、その曲を聞いたことがあって。 |
| 山本: |
ドキュメンタリーで、質問して誘導していくのがあるけど、俺はそういうの大嫌いなんだよ。人間ってそんなんじゃないと思って。けど、この作品はあんまり追求しないじゃん。これは意図的? |
| タナダ: |
意図的というか、渡さんのことを亡くなっていると思ってたくらいなんで。ただ、1度あの人のライブに行くと、すごいオヤジだっていうのはわかるじゃないですか。ぜんぜん詳しくない人間でも、「この人、本物だ」って。経験もないし、音楽にも詳しくないような自分みたいな人間が、監督として参加して、この人の何かを探り出そうとしても、絶対にこの人に負ける。じゃあ、もう負けましたっていうところから始めなきゃなと思って。渡さんは、あまりメディアに露出する人ではなかったんですが、コアなファンがついてる。映画を撮るにあたっては、コアなファンって怖いんですよね。最大の敵にもなり得る。だから、今回はコアなファンのために映画を作っちゃ駄目なんじゃないかなと。あんまりメディアに露出する人じゃないからこそ、若い人に向けて、こんな面白いおじさんがいますっていうことだけに焦点を絞ろうと思ってました。 |
| 山本: |
唯一息子にチラッと聞くところはあるけど、誘導するような質問はなくて、それより、ステージをちゃんと撮ってる。やっぱり、その方が、人間が見えてくるよね。だから、これは意図的にやったのかなと思って。 |
| タナダ: |
意図的でしたけど、アップアップでした。 |
| 山本: |
すごくよかったよ。あのおじさんがとにかく魅力的だったし、ライブをやってる空間を見るのが、やっぱり一番わかる。すごく温かい感じがした。次の『月とチェリー』はどういう経緯で撮ったの? |
| タナダ: |
『月とチェリー』は、低予算だけれども、R15指定で、こういう企画のものをやりませんかと。何でもいいということだったので、じゃあやりますって言って、プロットと脚本を書いて。 |
| 山本: |
これ、けっこうバカっぽいよね。かなり笑った。変態が集まった大学のサークルの話で。 |
| タナダ: |
はい、官能小説を書いているサークル。 |
| 山本: |
小説を書く女の子が、自分で作った設定を進めるために、男とヤっていく。またヤって、それを小説にしてっていう、なかなかスポーツマンシップに則った作品かなと。(笑) |
| タナダ: |
すがすがしい感じで。 |
| 山本: |
けど、最初の絡みのところはエッチだよね。 |
| タナダ: |
あそこは狙いました。 |
| 山本: |
それと最後の、砂が入るからってシーン。あれも好き。すごいバカで。ところで、一番旬な『さくらん』。あれは? |
| タナダ: |
監督は蜷川実花さんで決まっていて、脚本をやってくれませんか?と。 |
| 山本: |
原作があるんだよな? |
| タナダ: |
安野モヨコさんのベストセラー漫画が原作で。相当プレッシャーでした。原作もの自体が初めてだったし、今までの予算よりも大きかったので、自由が利かない部分も出てくるといえば出てくる。そういう意味では、難しい面もあったなと思います。 |
| 山本: |
気になるところはあるにせよ、お話の筋自体はよく構成されてたと思う。もうすぐ新作も公開なんだよね? |
| タナダ: |
『赤い文化住宅の初子』という映画を撮りました。 |
| 山本: |
それは下ネタとかないんでしょ?笑いも。 |
| タナダ: |
ないんですよ。たまにはまじめにやっとかないと。 |
| 山本: |
それ終わったら、気を取り直して下ネタに走るんだよ。(笑)
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