3月9日(金)、『聴かれた女』が、ついに東京での公開最終日を迎えました。最後を締め括る本日のトークショーでは、山本政志監督、『聴かれた女』出演の大野慶太さん、加藤裕人さんに観客の皆様から寄せられたたくさんの質問に答えて頂きました。(以下、山本政志監督=山本、大野慶太=大野、加藤裕人=加藤と記載させて頂きます)
Q.撮影現場はどうでしたか?
大野「ハプニングもありつつの大変な現場でしたけど、すごく楽しかったです」
加藤「日程的にはきついスケジュールでしたが、楽しい現場でした。山本政志にしか起こせないハプニングというのがたくさんありまして、中でも面白かったのが、僕が車に乗っているシーンを撮っていた時。残り2日ぐらいの終番の撮影で、夜中の3時に横浜の街角でスタッフさんも疲労困憊で足が動かないという状況でやっていたんです。フロントガラス越しに撮ってたんですが、ガラスが汚いと監督が言い出して。その車、実は監督のお車だったんですが。(笑)監督がいくら拭け拭けと言っても、助監督さんが半分寝てて拭く作業が進まない。『じゃあ俺が拭く』と、監督がトランクから布を取り出して来て、拭き始めたんですけど、それが、タオルとか雑巾とかじゃないんです。よく見るとTシャツで、大野さんの衣装だったんです」
―会場、笑―
大野「同時刻に僕は、『衣装がない、ない』とすごく大騒ぎしていまして」
加藤「おまけに、そのTシャツは大野さんの自前の衣装だったんですけど。大野さんはそのまま汚れたTシャツで本番を撮影したというハプニングが」
大野「やりきりました(笑)」
加藤「他にも、監督が撮影現場を間違えて、現場に来ないというハプニングがあったりだとか、ハプニングが盛りだくさんで楽しい現場でした(笑)」
Q.蒼井そらさんはどういうお考えでキャスティングしたんですか? 山本「蒼井そらのキャスティングに関しては、プロデューサーからだったから、ぜんぜんタッチしてない。けど、リハーサルやったらすごいできる子だった。そらを選んでなかったら、どうなってたかなと、プロデューサーあっての俺かなと、そういう気持ちです(笑)二人はオーディションやったんだよな」
加藤「大野君の相手役を僕がやったんですよね」
山本「練習に1週間だけしか行かなくていいならっていう条件を出して受けたんだけど。なんとかなるだろうと思って、最初の稽古にセリフを覚えていかなかったら、みんなまじめにやってて、俺だけ本を読みながらカンニングしてて、まずいなと。で、次の日からまじめにセリフを入れて行った。(笑)面白かったけどね、舞台」
加藤「僕は普段、劇団男魂という名前の劇団に所属しておりまして、実は、山本監督も俳優さんとして出演して頂いたことがあって、それを機に知り合いました」
Q.男魂の舞台に監督が出られたときは、どんな役だったんですか? 加藤「弱っちいやくざ事務所の連中が、ひょんなことからヒップホップのダンスコンテストに出るという話で、監督は、元々同じ事務所にいた構成員で、途中から独立して今となってはそのやくざ事務所を潰そうとしている敵役のやくざの組長をやってもらいました。普通、舞台では演技がオーバーになってしまったりするんですけど、監督のお芝居は舞台上でもすごくリアルで、非常に怖いやくざの組長というのを淡々と演じてらっしゃったのが、印象深いです」
山本「練習に1週間だけしか行かなくていいならっていう条件を出して受けたんだけど。なんとかなるだろうと思って、最初の稽古にセリフを覚えていかなかったら、みんなまじめにやってて、俺だけ本を読みながらカンニングしてて、まずいなと。で、次の日からまじめにセリフを入れて行った。(笑)面白かったけどね、舞台」
加藤「今度は舞台の演出を監督にやってほしいな」
山本「やってみたいね、舞台の演出も」
Q.盗聴の話を作るきっかけや、キャラクターのモデルについて、どういう発想をされたんですか? 山本「これは、同じことをやってる奴から話を聞いて、バカだなと思って。(笑)だから前半の盗聴しているディテールはそいつの話から作ってる。キャラクターは、暗くするとつまんないから、ちょっといい加減な奴にしようと思った。盗聴は暗いという固定観念があるけど、もっと馬鹿がやったらどうなんだろうと」
Q.大野さんと蒼井さんとの会話のシーンがすごく自然に見えたんですが、監督からはどんなご指示があったんですか? 大野「撮影の前にリハーサル期間というのがあって、その時がみんなほぼ初対面で演技を合わせたんです。探り探りの中で、僕も不安だったんですが、台本を放してやろうという指示が監督からありまして、それが逆に気持ちがいいというか、蒼井そらさんのお芝居も素晴らしかったですし、そういう流れのまま撮影に入りました。撮影中も監督から技術的なことを言われることはなくて、全て台本に沿って演っていたんですが、とにかく自然体で演じてほしいと。長回しのシーンが多くて、大変でしたが、緊張感が持てて、毎回がライブな感覚で面白かったです。」
Q.次回作の構想など教えてください。 山本「最近、印刷台本があがった荒戸源次郎というプロデューサーと進めてるフィルムがあって、それをやる予定なんだけど、それが時間がかかるなら、またデジタルをやろうかなと。今デジタルづいてて、デジ君っていう名前に変えようかなと思ってるんだけど。(笑)というところで、時間がきたので後は飲みましょう。どうもありがとうございました」
この後に行われた打ち上げには、宴会場に入りきらないほどたくさんの方々が集まり、東京での『聴かれた女』公開最後の夜を惜しみつつ、朝まで盛り上がりました。ご来場頂きました皆様、ありがとうございました!
|